心・・・

ディートリヒが瞬間移動魔法で他のPC達と合流した後しばらくして、トリシアが1人でPC達のいる部屋へ入ってきます。
ちなみにこの時点でディートリヒは他のPC達に対して、先程の行動で聞いた事は一切話していません。
はてさて・・・どうなるのやら・・・

GM(トリシア):みなさん、どうもお待たせしました。

ゼーベン:話はまとまったんかい?

GM(トリシア):はい・・・ただ残念ながらテラ共和国としてはこれ以上の協力は出来ないと・・・

シュウジ:むう・・・無駄足を踏んだか・・・

GM(トリシア):いいえ、そうでもありません。とりあえず賢者の石の在庫がある事は確認が出来ました。
         恐らくお爺様は「在庫がない」という理由をつけると思いますので、こちらで見つけてしまえば断りきれないと思います。
         それに昨日調べていて解ったのですが、ここから割と近くに昔魔物が進行してきた場所があったみたいです。
         そしてそこは何人もの司祭たちによって強力な魔物と共に封印されたらしいです・・・恐らくそこには・・・

D:賢者の石が存在している可能性が高いと?

GM(トリシア):はい、かなりの確率で・・・ただゲートは閉じているハズですが、封印されたという魔物がどうなっているのかは解りません。

サリーナ:現在も封印されたまま生きている可能性がある訳ね。

ゼーベン:見返りは大きいがリスクも大きいと・・・国で管理しているのを探す方が安全ではある訳か。

シュウジ:しかし・・・国が管理している物を捜索するというのも・・・後で大変な事になる気もするが?

GM(トリシア):構いません・・・どうせロクな事に使えるものではありませんから。

D:・・・本当にいいのか? 祖父の意に反する事になるぞ。

GM(トリシア):はい。もしかしたらお爺様はお爺様なりに国の事を考えているのかも知れません。
         しかし私が天使の力を危険と承知の上で受け入れたのは『自分達の国の為』ではなくて『この世界の人々の為』です。
         そして、この世界の人々の為には今は『最終天使』となったエイサー王を倒さなくてはなりません。
         例えお爺様の意に反したとしても・・・今、自分が最善と信じる事をするべきだと私は思います。

D:・・・黙ってトリシアの頭を撫でます。

他のプレイヤー:な・・・何ですと〜!! ディートリヒが妙に優しいぞ!? 何を企んでいる〜!!(笑)

D:ド阿呆〜! 何も企んどらんわぁ〜!!(怒) 事情を知っとるからやろうが!(みんなに話してないけどな・・・)

GM:まぁそうだろうけど・・・君そういうキャラだったっけ?(笑) えっと・・・トリシアは「えへへ・・・少し偉そうでした?」と照れています。

シュウジ:うむ! 大きな力とは己の為に使うものには非ず。弱き者の・・・守るべき者のためにこそ行使すべきものよな!!

GM:すると彼女は嬉しそうに「はい! そして大切な人たちの為に・・・ですね」と言ってきます。

サリーナ:でも現実はどちらを選択する? それによって行動方針は大きく変わってくるけど・・・

D:そうだなぁ・・・GM、国で管理しているのって量は分かるん?

GM:いや、流石にそこまではトリシアも分からないみたいだよ。

D:なら結局は量が不足って可能性もある訳か・・・

シュウジ:虎穴に入らずんば虎子を得ず・・・と言う。封印の地へ赴くとするか。

サリーナ:その方が二度手間にはならないで済むかもね。

ゼーベン:それに極力、国と国の間に波風を立てない方がいいだろうしな。

D:という訳で魔物とかが封印されている所へ行きます。

GM(トリシア):解りました。それならば案内しますので何とかここから抜け出しましょう。

D:しかし、窓とかは無いし・・・強行突破か?

サリーナ:・・・大丈夫、任せて・・・『幻浸透(シー・イール)』

ゼーベン:何の呪文?

サリーナ:壁抜け。

かくして・・・騒動一つ無く外まで出たPC達は夜の闇の中、飛行呪文を使って封印の地へと飛び立った・・・

読んでいれば解ると思いますが、実はここもルートの分岐だったりします。全体の流れとしても後々に影響が出るのですが、当面の問題としても『力押しのパワーシナリオ』と『探索系の地味なシナリオ』に分岐します。
どちらがより良かったのかは後の話になりますが、基本的にどちらを選択してもいいようにシナリオはそれぞれ製作していました。
もっとも・・・パワーシナリオの場合は相手のデーターを作るだけという噂もありますがね(^^)
結局この時には捜索系のシナリオは無駄になったのですが、それはまた後日にGMをする際にしっかりと利用したりします。
私がイベントなどで急遽GMをする際のシナリオは大抵がこういうのを利用したシナリオになっています。

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