それぞれの夜・・・

 ゼーベンとシュウジは特に何をするでもなく部屋で休養。
ディートリヒは城の書庫へ天使に関する記録を・・・サリーナは街の広場や酒場へ同業者(吟遊詩人)を探しに出かける事にした。

GM:それではサリーナの方から進めます。
    昼間にあんな事があったので街中はひっそりとしていて人気は少ない・・・しかし酒場には灯り点いていて人が愚痴を言い合っている。
    そんな中、日頃ならば場を盛り上げる為の歌を歌う吟遊詩人たちも静かに酒をあおっている。
    流石に仕事をする気にはなれないみたいだね。

サリーナ:「少し聞きたい事があるのですが・・・」と吟遊詩人の中でも年齢の高そうな人に声をかけます。

GM:ん!? どういった事ですかな。お嬢さん?

サリーナ:五十年前の天使とクリーチャーたちとの戦いで知っている事・・・伝わっていることを教えてくれませんか?

GM:それを聞いてどうするつもりなのですかな? 歴史を知りたいというのなら学者にでも聞いた方がよいのではないか。

サリーナ:・・・聞き方が悪かったですね。過去に天使たちが倒された時の状況や話とかは存じませんか?

GM:「・・・・・・」黙して語らないよ。

サリーナ:なら「世間一般に流れている話ではなく、吟遊詩人の間でだけ伝わっている真実の話を知りたいのです。」と追い討ちをかけます。

GM:「ついて来なされ・・・ここでは話せぬ。」といって店を出ていく。

サリーナ:なら付いて行きます。一応警戒はしながら。

 吟遊詩人から聞いた話によるとセラは何人かの天使を不意打ちで倒すと、その力を収めたエンジェルシードの力を利用して己の力を増幅して他の天使たちを一掃したという事だった。
 そして全ての天使のシードの力を利用して最終天使すらも滅ぼした・・・圧倒的なまでの力で・・・

サリーナ:という事は全ての天使の力を合わせると最終天使すらも倒せるということなのですか?

GM:恐らくはな・・・。しかし天使の力を集結させるというのは『真の天使』でなくば不可能であろうよ。
    人間の体をベースにしているのでは天使の力を完全に引き出すのは無理というものだ・・・そなたのような者ならば例外かも知れんがな。

サリーナ:えっ!?

GM:昼間の戦いを見せてもらった。お主ら4人は皆とてつもない力を持っているが、その中でもそなたの魔導力は突出しておった。
    事情は知らぬが他の3人とはまた違う存在なのであろう?

サリーナ:・・・・・・

GM:・・・守護天使セラのような不幸がお主におこらぬ事を祈っておるよ。

サリーナ:「・・・ありがとうございます」と言って立ち去ります。

GM:はい了解。次はディートリヒの方だけど・・・

サリーナ:あっ!GMちょっと待って下さい。えっと、そのままシュウジの部屋へ行って扉をノックします。

シュウジ:うちかい!? 「ん・・・誰だ?」と答えます。

サリーナ:私だけど・・・少しいいかな?

シュウジ:ああ、かまわないぞ。こんな時間にどうしたんだ?

サリーナ:う・・・ん・・・ちょっと考えることとかあってね。

シュウジ:?・・・昼間の事とかでか?

サリーナ:んー・・・それもあるかな。あのセラっていう天使・・・結果として最悪の事態を招いてしまったし、仲間の天使を殺めたりしたんだけど、
      本心はどう思っていたのかな?って考えたりもした。

シュウジ:本心?

サリーナ:うん・・・エイサー王の神々の支配から人間を解放するという考えを素晴らしい事と思い賛同したのは彼女の意思だと思う。
      多分当時のエイサー王は本当に純粋な気持ちだったのだろうし、そんな人だからこそ彼女は愛してしまったのだと思うから。
      ただ、エイサー王の思いが野望へと変わっていったように、彼女の目的も別の事が大事になっていっていたような気がする・・・
      つまり・・・ずっと2人で一緒にいるという事へと・・・

シュウジ:・・・人は天使と違って歳をとっていくからな。

サリーナ:彼女の気持ちはなんとなく私にも理解できる気がするの。
      だけどやっと願いを叶えたと思った時、心は遠くへ去ってしまっていた・・・
      エイサー王は変わらない姿で存在し続けたセラに醒めてしまったけれど、貴方がその立場だったら・・・どう思う?

シュウジ:ん? 嫁さんがいつまでも若くて美しいのは男の本懐よ! ガッハハ!!(笑)

サリーナ:なら顔を伏せながら「・・・貴方のその言葉を信じています」と小声で呟きます。・・・てトコまでで。

GM:・・・んじゃその後『ヒシッ!』と抱き合ったりするんだね。(笑・・・後でシナリオに影響がでるなぁ)
    じゃあ今度こそディートリヒの方だよ。

D:はいはい〜♪

GM:えっとディートリヒが書庫を探していると1人の少女と鉢合う・・・カノンだね。

D:丁度いいので声をかけます。「すまないが書庫って何処なんだ? 案内して欲しいのだが・・・」 

GM(カノン):えっ!? いいよ♪ 何か探し物?

D:まあな・・・何しろこの世界の事がさっぱり分からないからな・・・少しでも情報が欲しい。

GM(カノン):ふーん・・・見た目よりも真面目なんだ(笑)

D:俺はこれでも学者が本業だー!(爆)

GM(カノン):ふ〜ん、そうなんだ・・・ちょっとびっくりだね(黒い鎧に魔剣&盾装備だからね・・・)

GM:まぁなんて言っていると書庫に着くんだけど先客がいる・・・トリシアだよ。

D:あぁ・・・そう言えば何か調べるって言っていたな・・・じゃあ「何を調べているんだ?」と聞いてみます。

GM(トリシア):えっとですね・・・50年前に魔物が進行してきた場所を調べていたんです。

D:またそれは何故に?

GM(トリシア):これはあくまで推測なのですが、賢者の石は本来魔物の世界の鉱石ではないかと・・・
         なぜなら天使の力を弱体化させるのですから、天使と相対する存在にこそ本来は有効なものですからね。
         この推測が正しければ、魔物が発生した場所にまだ未発掘の賢者の石が眠っているかも知れません。

D:なるほどな・・・なら俺も調べるのを手伝おうか?

GM(トリシア):いえ、皆様方がこの世界の事を知っておくのも非常に大切な事です。こちらの方は私にお任せ下さい。

D:「わかった、ならそうさせてもらおう。」と言ってこちらも調べ始めます。

GM:・・・字・・・読めると思う?(^^)

D:えっと・・・カノンさん、教えて下さい(笑)

GM(カノン):「うん♪ いいよ。」と言って教えてくれます。
         まぁ・・・君ならすぐに覚えるだろうから、知力のチェックをしてくれる? 目標値・・・25でね。

D:それならほとんど大丈夫♪・・・はい成功。

GM:OK。なら今後この世界のある程度の知識はこちらから必要に応じて提供しますね。
    疑問とかあったら聞いてみて下さい。

D:よっしゃあー!!・・・ところで最終天使の弱点みたいなのは載ってない?(笑)

GM:うん。ないよ(あっさりと)
    ここはエイサー王国だからね。そういう本があったら処分されてるって。

D:それもそうだ。じゃあ以上です。

GM:はい了解。それでは翌朝、君たちはトリシアを伴って彼女の国・・・テラ共和国へと向かいます。


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